私たちの命を支えてくれている栄養素といっても過言ではない「酵素」。酵素は、果物や生の野菜にたくさん含まれていますが、これらをいつ、どのように食べれば一番効率よく酵素を私たちの体に摂り入れることができるのでしょうか?今回は、果物の食べ方についてお話したいと思います。
「果物を食べる」というと、糖分が多いから太ってしまうのではないかと心配される方も多いと思います。また、冬場だと体が冷えてしまうのではないかということも不安になりますよね。
ところが、果物を1日のうちの、いつ、どのくらい、どのように食べるかによって、体重増加や体の冷えを心配する必要はありません。
さらに、果物を食べると酵素がたくさん摂れるだけでなく、消化がスムーズにいくため、体内に栄養素が効率よく無駄なく吸収され、病気から簡単に体を守ることができます。
よく、テレビなどで栄養士さんが「1日30品目の食品を摂りましょう」というお話をされています。「朝食は、食パンに卵料理と牛乳、もしくはヨーグルト、野菜サラダを添えると、もうこれだけで10品目くらい摂れますよ」といわれますが、果たして食後に、きちんと栄養素が体に吸収されているのかについては疑問が残ります。
実は、1回の食事で多くの種類の食品を食べれば食べるほど、消化はスムーズにいかないのです。
よく、結婚式の披露宴の席でいただく、フランス料理のフルコース。ものすごい種類の食材が使われていますよね。野菜も果物も肉も卵も魚も乳製品もパンもご飯もケーキも・・・実は、これだけ多くの種類の食品を1度に食べると、すべて消化されるまでに6~8時間かかるといわれています。
このとき、体は消化するのにたくさんのエネルギーを使います。どのくらいかというと、42.195キロのフルマラソンを走ったときと同じくらいのエネルギーです。想像できないくらいのエネルギーを、たった1回の食事で使ってしまうのです。
すると、体はもうそれだけでヘトヘトです。栄養素の吸収は消化が終わらないと出来ないため、これでは栄養を摂るための食事どころか、体を疲れさせるための食事になってしまいます。
ところで、朝食を果物だけに変えてみると、どのような嬉しい変化があるのでしょうか?
果物は、消化にかかる時間が30分から長くても1時間程度です。さらに、酵素と栄養素がスムーズに吸収され、体内ですぐにエネルギー源に変わります。
よく、スポーツ選手が栄養補給にバナナを食べたりしますよね。あれは、すぐにエネルギー源に変わるからです。例えば、りんご1個とバナナ2本。冷蔵庫で冷えたものではなく、常温のものを生のままいただきます。朝食は、基本これだけで終了です。
いろいろなものを同時に食べると、消化に時間がかかり、酵素や栄養素が吸収されにくくなってしまうからです。
また、果物だけの朝食は、太りません。糖分が多いから果物を食べないようにしている方も多いですが、食後のデザートとして果物を食べるから太るのです。
食後に果物を食べると、すぐ前に食べたご飯やパン、肉や魚などと果物の汁が胃の中で混ざり合い、消化不良を起こします。すると栄養素の吸収が思うように進まず、未消化物(消化不良の残骸)が体内に残ってしまいます。
これが毎日続くと、体重増加につながってしまうのです。
しかし、常温の果物だけを朝食にすることで、酵素も栄養素もきちんと無駄なく吸収され、病気になりにくい身体作りが期待できるという訳です。
最初は、本当に大丈夫?と疑問に思うかもしれませんが、最低1週間、まずは実践してみて下さい。
朝起きてからお昼12時までの間は、常温の果物だけをそのまま食べます。1週間続けると、なんとなく体がラクになり、体調がよくなってくるのを実感できるようになります。
りんごやバナナに限らず、季節の果物(柿や梨、みかんなど)ならなんでもいいのです。一度に食べる量は、柿や梨なら1~2個、みかんなら2~3個くらいを目安に、1回に2種類の果物を食べる食べ方がおすすめです。
エミタス整体健康アドバイザー
料理研究家 田中嶋 典子 著
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